洋書デビューに”Wonder”を推したい!

洋書

みなさんこんにちは、あゆこと申します。

あゆこ

非ネイティブ、英語業務経験なし、留学経験なし。「英語はネイティブに任せておけば良い」という謎理論で英語から離れていたが、産休中に英語学習に目覚め、0歳育児中にTOEIC905点を取得。ツラくならない学習法、育児中の時間の編み出し方を発信。趣味は読書。

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今日は、私の英語学習再開のきっかけとなった洋書”WONDER”を紹介しようと思います。

ベストセラーになった本なので洋書よみなら必ずチェックしている本かと思います。

ですが、初めて洋書を買うのって少しの勇気がいりますよね。

和書より高いし、買っても読み切れるかどうか、というのがためらう原因です。

実は私も、英語を再開したくて洋書コーナーに行き、散々迷った末この本を買いました。

読み始めると、英語であることを忘れるぐらいどんどん読めて、英語熱に火がついたんです。

なので、洋書を読み始めの人に最適の本として推したいです。

物語としてもおすすめなので、是非読んでみてください。

あらすじ紹介

主人公Augustは、普通の10歳の男の子。違うのは見た目だけ。

見た目のせいで、外を歩くとジロジロみられたり、悲鳴をあげられたり、ひどいことを言われたりする。

彼は、家庭学習を続けていたが、5年生から入学することになる。

学校では意地悪な子もいて最初は通うのが辛かったが、次第に同級生たちは彼の魅力に気づき始める。彼は、とっても面白くて賢い子なのだ。

August自身の物語と、Augustの周りの子供達(姉、友達、姉の友達、姉の彼氏….)と語り手が次々と変わり、同じ出来事も立場が変わると別の解釈ができる。

洋書デビューにおすすめの理由

一章が短い

一章がペーパーバックの1ページから長くても3ページぐらいです。

毎日少しずつ洋書を読むことを目標にしている人もいるかと思います。

そういう人にも読みやすくなっています。

洋書の中には最後まで読むのが大変で、心が折れる時もあります。

でも、この本は一章を読み切って小さな達成感を積み重ねることで、

気づけばもう半分ぐらい読み進めてる、ということもあります。

読みやすいけど考えさせられる

語り手が、小学生〜高校生で、読み手も子供達を想定しています。

なので、あまり難しい表現が使われず、辞書なし派の人も読み進めやすいです。

誰もが経験している、学校ものなので読みやすいというのもあります。

読みやすいのですが、決して子供っぽい話ではなく、

大人が読んでも、人間や家族ということについて深く考えさせられる物語です。

「Augustが周りにいたら自分はどうする?」「自分の子供がAugustだったらどう接する?」

大人になって読むと、親の立場を想像してほろりとさせられます。

英語学習のために読み始めても、読んでいるうちに「この物語が好きだから読む」になっているはずです。

面白い表現がいっぱい!

印象に残る面白い表現が多く、英語の勉強になります。

例えばこんな表現があります。

I was so nervous that the butterflies in my stomach were more like pigeons flying around my insides.

ーR.J.Palacio “Wonder”

学校初日の前、Augustがかなり緊張していることが語られています。

“”butterflies in my stomach”は、「胃の中に蝶々がいる」で、緊張・そわそわを表す英語の一般的な表現です。

Augustはそれをもじってさらに”like pigeons flying around my insides”、「内臓全体で鳩が飛んでる」としています。

激しくそわそわしていることを可愛いユーモアをもって表現しています。

この表現が印象深いので、”butterflies in my stomach”のことも覚えることができます。

この他にも、うまい言い回しを発見すると、英語のことをより深く知ることができるはずです。

物語の魅力

家族愛に溢れている

Augustの家族からの愛があふれています。

優しくてまっすぐなお母さん、ひょうきんなお父さん、弟思いのお姉ちゃん。

とにかく家族が仲良しで、明るく過ごしています。

「見た目が他とは違うけど、中身は普通の男の子」と言えるのは家族の積み重ねがあったんだろうな….と思います。

また、抱きしめて離さないことが愛ではないことを知ります。

当初はAugustを入学させるべきかどうか、両親間で話し合いが重ねられました。

「子供に嫌な思いをさせたくない」「それでも、対処できる方法を身につけてほしい」

愛するわが子を守るべきか、それとも冒険させるべきか、生まれてからずっと悩む親としてのテーマだと思います。

深刻すぎない

主人公が自分の見た目のことを気にしながらも快活な子だというのがわかります。

きっと明るいご家族の影響を受けてるんだろうな〜と微笑ましい気持ちになります。

また、これまでの手術の経験や家庭学習の期間が長かったからか、他の子よりも考え方が大人びていて、冷静だと感じました。

彼はきっと将来大物になる、と確信しました。

ぜひ大人になったAugust君たちの物語も読みたいものです。

立場が変われば別の出来事

様々な視点で描かれているのも魅力の一つです。

他の人と一緒に読んで、誰が一番好きだったか共有するのも楽しいと思います。

私は、August君のお姉ちゃんのviaが一番好きでした。

両親から構われないことへの寂しさ、それでも弟を大事に思う気持ち、viaが一番だと言ってくれるおばあちゃん、友達との関係、優しい彼氏……

多感な高校生の語りが健気で泣いちゃいます。

おわりに〜見た目問題〜

ここまで読んでくれてありがとうございます!

物語として読んだ後、自分ごととして捉えられるのが、この話の優れたところです。

明るいタッチで描かれているのですが、「人は見た目ではない」と言われる世の中でも、

見た目だけでここまで辛い思いをしていることに心が痛みます。

日本でも「見た目問題」という名前で知られている通り、生まれつきや病気など様々な理由で、特徴的な外見を持つ方々が、学校や生活、就職などで困難を抱えてしまう問題があります。

「見た目問題」は「見る目問題」。許容性のある社会が生きやすくする | 日本財団ジャーナル
白い肌に、くっきり二重、真っ直ぐな鼻筋、シャープな顎のライン…。メディアで報道される「美」の基準はあまりにも画一的だ。

今、美しいことが賞賛され過ぎている、と感じませんか?

「美しい」という高い基準(例えば、女性だったら、色白・細い・若い など)に向かって、その基準に近づけば近づくほど賞賛されるので、そうでない人たちは窮屈な思いをしてしまいます。

誰一人同じ顔はいないのに、おかしな話ですよね。

Augustたちの物語を読んだ上で、見た目問題についての記事を読んだところ、見た目問題は結局のところ、完全に「見る側」の問題だということに気づきます。

中身がわからない時、ぱっと見の印象で判断してしまう人間の本能があるからこそ、苦しむ人がいるのです。

ただ、人間には「ゆっくり深く理解」する能力も備わっています。

「ゆっくり深く理解」するということが、見た目問題で苦しむ方が少しでも生きやすくなる鍵になってくるかと思います。

かくいう私も、当事者の方と実際お会いしたらどのように接することが、当事者のためになるのか、自身がない部分はあるため、もっとより深く知らないといけないかと思っています。

そのようなことも考えさせてくれるAugust達の物語です。

一緒に、”Wonder”を読んで、語りたいです。

よかったら読んでみてください。

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